拳の中

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ずっと昔――― いや、俺にとってであって、本当にずっと昔な訳じゃない でも、やっぱりずっと昔にしか思えない それでも繊細に覚えてる。 匂いも 景色も 声も 音も 感触も 味も 言葉も 目を瞑れば瞼の裏にこびり付く様に――― 擦っても擦っても―――色あせない記憶 こんな時に思い出すのがあんたなんてな……… でも…… 少し振り返って見るのも…………悪くねぇか………。
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