86人が本棚に入れています
本棚に追加
サイトの中でお友達が出来たら…
と、セイラは思っていた。
「専業主婦をしています。
毎日ヒマしているのでメールしませんか?」
ありきたりなメッセージ…
(既婚者だから、あまり来ないかもしれないなぁ)
セイラはあまり期待せずに、受信が届くのを待った。
…届くのは年上の既婚者の男性がほとんどだった。
初めは楽しかった。
だけど、やはりそこは既婚者で、一定の時間になるとメールは途絶える。
そして、年上だから、少し会話が弾まないこともあった。
そこでは、日記が書けるからセイラは毎日日記を書いた。
・忘れられない思い出
・初キス
・私がこのサイトを始めた理由…
など、とにかく色々書いた。
1日に2つ3つ書いた日もあった。
プロフィールを変えてみたり…
「私のことは日記に書いています。
私は長い文章を書くのが好きで…」
というような内容で。
短い文章で何回もやり取りしたい人もいるだろうな、と思いつつも、
これが私だ、と開き直る自分もいた。
そこへ、何か今までとは違う話の内容のメールが届いた。
「はじめまして。
俺も長い文章が好きです。
良かったらメールしませんか。
よろしくで~す。」
セイラは思わず吹き出した。
(ふふっ。なんかかわいい。年上?)
相手のプロフィールを見る。
26歳。年下だった。
そしてプロフィールに、クサいセリフが書いてあった。
「君の瞳ほど
僕を魅了するものはない」
今思えば、この言葉に私は惹きつけられたのかも知れない。
サイト内ではハンドルネームだったが、2人は本名で呼び合うことにした。
彼の名前は大介。
これが、セイラの単調な日々を変えることとなる出逢いだった。
最初のコメントを投稿しよう!