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序章“目覚める獅子”
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「ふあぁ」
大きな欠伸をし、『獅子島 刀箭』は目覚めた。
ボーッとした頭で、今日の予定を確認する。
(学校行って・・・それで・・・)
眠気でクラクラする意識が、次第に覚醒してくる。
覚醒するにつれ、沸き起こる違和感。
「あれ?」
そして完全に気付いたとき、刀箭の絶叫が轟いた。
「どこだ此処ー!!」
刀箭が寝ていた場所は、自宅ではなく、六畳くらいのボロボロな部屋であった。
しかも夜寝た時はベッドに寝たはずだが、今下にあるのは布団一枚である。
「な、なんだ此処!?ま、まさか拉致?俺拉致られた!?」
困惑する刀箭、まぁこの状況では妥当な思考と言える。
しかし、拉致の待遇としては良すぎはしないか、と刀箭は考え込む。
「ん~」
考えるが、当然答えは出ない。
「ん?なんだこれ」
ふと自分の手に目をやると、右手の甲におかしな紋章が書かれていることに気がつく。
ゲーム大好き刀箭さんは、その紋章を一言でこう言い表した。
「魔法、陣?」
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