10人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
もう清掃活動を始めてだいぶたった。今では挨拶をしてくれる人。顔なじみになった人がたくさん増えた。
そして、掃除の仕方も上手くなった。
相変わらず猫は段ボールに入っていた。しかし僕は猫に近づくことはしなかった。僕と猫の間になにか大きな壁を感じる。
その壁を知ったのは最近のことだ。あの猫には「友達」がいた。まだランドセルが似合うようなかわいらしい少年。
まるであの頃の僕のようだった。毎日毎日、その少年は猫に話をしていた。内容は自分の夢についてだ。
いつの時代になっても僕のような少年はいるのだな。
最初のコメントを投稿しよう!