❤Abandoned Dog

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暗い空から降り出した, 雨が肩を濡れす 100円のビニール傘じゃ 冷たさわ防ぎきれない みたいだね この道まっすぐ行くと、 気付けば誰も 通らなくなった商店街 固く閉められたシャッターに どれだけ雫が垂れただろう? その下のコンクリートに 水が溜まり始めるころ 僕は見つけてしまったんだ。 うずくまった肩 僕よりも濡らしてる すごく震えてた 泣いてるの? それとも泣きたいの? 何も知らない僕には それすら教えてくれないみたい …しょうがないね そっとビニール傘で びしょ濡れの 段ボール包み込む 同情なのかもしれない だって君の痛みは 僕に解るはずがないから 経験したこともないのに 【大丈夫】なんて 説得力ないもんね でも… 濡らした肩の冷たさは こんな僕でも 解ることができるよ 寒いよね、 冷たいよね、、 びしょ濡れの帰り道 凍えそうだけど 小さくて僕には 役に立たない傘が 体が小さい君には 大切な大切な 家になったんだもん。 我慢くらいしてやるよ 僕にとっては 小さなものでも 君にとっては命を 救えるほど大きなものになる。 なんだか不思議だね
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