まずはプロローグ

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「そ、そうですか?よかった。」 心からほっとした様に少年は言った。 「…あ。 ところであなたは?」 「あたしはミストといいます」 (ミストさん、か。綺麗な名前だな) 「ところでラグナさん。これからどうなさるおつもりですか?」 「いえ…まだ何も決めてないのです」 「だったら、今、使ってない家と農地があるんで、そこ使ってくれていいですよ」 「えっ!? いや、ありがたい申し出ですけど、そこまでご厚意に甘えるわけには…」 フルフルと首を振るラグナ。 「いいんですよ。どうせ使ってないし。それにラグナさんにはクワが似合うんですよ」 「……でも、僕に出来るかな?」 「あの……えっと…あなたなら大丈夫だと思うんです」 「はぁ…」 よくわからない、という風にラグナが言った。 「………ま、きっと楽しい暮らしが待っていますよ。 家と農地はこの北です。さぁ、行きましょう」
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