星下の縁

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「いいモノって…クマのワンポ──」 ──ゴシャ! 「口は災いの元よ♪」 顔は笑っているが、ぶちギレ寸前なのはありありと分かった。 何せ、金属バット改め天誅君・乙伍号によって金網に穴を空けていたのだから… ついでにかすった頬から血が伝っていたりする。 「お、俺に何か様っスか…?」 引きつった笑みを向けると、少女は妖艶と思わせる笑みを浮かべた。 「貴方の“血”。気に入っちゃったのよ」 そう口にする少女の瞳は、真紅の色に染まり普通の人より長い犬歯は、空想の化け物“吸血鬼”を思わせた。
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