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この世界を支えているのが、巨大なトネリコの樹で、これを、
『ユグドラシル』
と呼ぶ。
ユグドラシルの梢は天の上にまで突き出ている。
枝は全世界の上に広がっている。三本の大きな根を持ち、一本は北の極寒の世界ニフルヘイムに湧き出る泉に達し、そこでは龍がその根を食い荒らしている。
次の一本は巨人族の住むヨーツンヘイムにまで延び、そこには無限の知恵の蜜酒が湧く泉がある。
その泉はミーミルという巨人のもので、そのため彼は非常に知恵がある。
三本目の根は、神々たちの住むアースガルズに達し、そこにも神聖な泉が湧いている。
その岸辺には、過去・現在・未来を司る三人の運命の女神ノルンたちが住んでいる館がある。
彼女達が神聖な泉の水をユグドラシルの根にかけているので、この巨大樹は枯れることも腐ることもない。
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