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「小金崎文博士をお連れしました」
「ご苦労……」
少年兵に連れられた小金崎博士の白衣はかなり泥で汚れていて、所々破れていた。
「ここまでは大変な道のりだったでしょう、博士」
「お昼を支度していたら貴方達軍に突然拉致されて、行き先も告げられずトラックで6時間、トラックを降りてココまでこの、密林を3時間歩かされた位どって事無いですわ、大尉さん」
「大変申し訳なかった、博士……
しかし事は急を要します。ご容赦いただきたい」
「一体何が起こっているか聞かせてもらえません?大尉、貴方のお名前も」
「申し分けない、私は城嶋と言います」
城嶋は小金崎と握手を交わし話はじめた
「今から3年程前、関東軍がここから500メートル程東に集落を作りました。最初は捕虜収容所と言う話で大陸から男女30名程が収容されました」
「はあ……
それで?」
「軍も含め私も一昨日までこの集落の事は詳しく聞かされていなかったんですが、一昨日大陸の、何といったか……
ああ、防疫給水部隊と言ったかな?そこから軍司令部に連絡がありましてね、この集落を調査せよ、と……」
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