黒髪の最低男

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アイツがタラシだってのも 夕季は知らない。 次の日会ったら泣いてた。 理由は、他の女とキスをしていた、と それからの夕季は激変し、腕には無数の傷が出来ていた。 「ゆ…き…?」 「ぁ……おはよぉ…」 小さな声で、私に聞こえるか聞えないかそのぐらいの声だった。 目は虚ろで、最初よりももっと腕に跡が付いてた。 「ちょっ!!ゆ「あたし、浮気されてたんだぁ…」 「っ!?」 夕季の瞳からぽろぽろと零れ落ちる涙。 見てて、何も出来ない自分。 どうしてこんなに無力なんだろう ―…‥ 「私はその時に夕季の側に居ようと決めた。」 自分の親友すら守れない、そんな自分が嫌だった。 「…お前らも辛い思いしてんだな。」 大切な物を守れる力が欲しかった。 非力な自分が嫌だった。  
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