揺れるワイン

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会話が弾む。 「クリスマスはどうするの?」 「私、彼氏いないので。」 「もったいない!俺と過ごそうか。」 「先生彼女いるって言ってたじゃないですか。」 ニョッキのホワイトソースを食べながら理子は中山の話を流す。白ワインも飲み干す。 中山はすかさず店員を呼び止め、 「同じのを。」 と、グラスワインの追加を二杯頼む。適当で軽いが、細かい所に気配りできる男のようだ。 「いやいや、冗談じゃないんだよ。クリスマス予定ないなら俺とどこか行こう!」 ワインが運ばれる。理子は一口飲むと 「いいですね!どこにしよう!」 この程度の度数と量じゃ酔わないはずなのに、理子は流暢に中山の軽い会話についていけていた。雰囲気に酔っているのだろうか。
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