揺れるワイン

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しゃれた食事とワインを何杯か嗜めた後、二人は二軒目の店に移動することにした。まだ笑いと会話は絶えない。古くからの知り合いのようだ。 「先生、車できていたんですか!?」 理子は飲酒運転の助手席で、教習所の先生の気分で身構えてマジェスタに乗った。中山はいつものことだと、平然と運転している。 病院の話や恋話をしながらドライブする。 「次どこのお店ですか?」 「ここだ」 ウィンカーをあげた先にあるのはホテルだった。理子は中山がハンドルを切るのを止めた。 「冗談だ」
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