手にとるグラス

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彼女は、このデンワに出ると、一人寂しく都会の街にいるコトを自ら認めているような気がしたのだ。携帯電話を閉じ、バックに戻そうとした瞬間、再び訪れる手持ちぶさたと、視界に嫌でも入る輝かしい装飾が頭に満たされた。 「仕事の話かもしれないし!」 一挙に考えをプラスにした。ブツブツ文句を言いながらかけ直す彼女は生き生きしていた。 「もしもし?」
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