邂逅の午後二時半

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泣くのは誰かしら、ひとつぶの涙の永遠の輝き、 永遠の哀しさ、 永遠の忌忌忌忌しい。 ほほほ、泣くのは誰かしら?あそこで泣くのは誰かしら? ああん、あん、あん、ああん。 泣くことなんてないわ。あんた、そんなことで泣くことなんかないわ。 わたしがあなたを愛したげる。あたしが死ぬまでの数秒、あなたのこと愛してあげる。 ほほほ。ほ。ほほ。 おまえの涙から、わたしあなたの中へ!ああん、あん、あん。 ううん遠くなんかないわ。涙が輝く永遠に比べればほんのまばたきの間。 行ったげるわ。あたし、あんたんとこ行ってあげる。ねぇ、行ったげるわ。わたし、あなたの涙の中に行ったげる。待たせやしないわ。あなたの認識の速度にだって追いついてみせる。 すぐに行ったげる。いいえ、いま行ったげる。いいえ、さっき行ったげる。46億年前に行ったげる。
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