初恋の思い出

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 無意識に向かっている先は、市内で一番大きな総合病院。 少し前に、おじいちゃんが入院していた時、何度か見舞いに訪れた事があった。  車でも30分は掛かる遠い所にあり、小学2年生の足では、簡単にたどり着ける距離ではなかった。  なぜ僕は病院に向かっているのか、自分でも解らない。 なんとなく、自分が知ってる限り一番大きな病院へ行きたくて、ひたすら歩いた。  いま思えば僕は、Aさんに会いに行きたかったのだろう。 ただ、もし仮に病院にたどり着けたとしても、そこにAさんが入院してるのかどうかも解らないし、小学2年の子供が受付で上手く喋る事など出来る訳がない。  歩き続けて、日も暮れてきた。
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