夢想

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気がつくと、あれほど激しく降っていた雨はすでに止み、辺りは漆黒の闇に包まれていた。 虫の声に紛れて、川の流れる音がする。 いつの間にか眠っていたみたい…… 固い地面に寝ていたせいか、全身の筋肉が固くなっていた。 ゆっくりと起き上がり横を見ると、大きな体を少し丸めて寝ている父親の姿があった。 腕時計を見ると、午前3時を記している。 大分寝ちゃったんだ…… 父親を起こそうかとも考えたが夜明けまで後少し、もう暫く寝かせておいてあげよう。 そう思いテントの外に這い出した。 固くなった筋肉をほぐそうと大きくのびをする。 木々の間から、都会では見る事の出来ない程の星が見えた。 ふ~、と、息を吐き、川の音がする方角に目をやると、木々の隙間から焚火の炎がみえた。 こんな時間にいったい…… 父親を起こそうかと考えたが、何故か好奇心にかてなかった。 足元を確かめながら、焚火をしている場所に注意深くすすむ。
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