15人が本棚に入れています
本棚に追加
気がつくと、あれほど激しく降っていた雨はすでに止み、辺りは漆黒の闇に包まれていた。
虫の声に紛れて、川の流れる音がする。
いつの間にか眠っていたみたい……
固い地面に寝ていたせいか、全身の筋肉が固くなっていた。
ゆっくりと起き上がり横を見ると、大きな体を少し丸めて寝ている父親の姿があった。
腕時計を見ると、午前3時を記している。
大分寝ちゃったんだ……
父親を起こそうかとも考えたが夜明けまで後少し、もう暫く寝かせておいてあげよう。
そう思いテントの外に這い出した。
固くなった筋肉をほぐそうと大きくのびをする。
木々の間から、都会では見る事の出来ない程の星が見えた。
ふ~、と、息を吐き、川の音がする方角に目をやると、木々の隙間から焚火の炎がみえた。
こんな時間にいったい……
父親を起こそうかと考えたが、何故か好奇心にかてなかった。
足元を確かめながら、焚火をしている場所に注意深くすすむ。
最初のコメントを投稿しよう!