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『落ちるなよ』
私を乗せ、竜は――リシュフィーはその翼を大きく広げた
翼が風を切る音と共に、浮遊感が漂ってくる
私はリシュフィーの背にしがみついた
そして頬をその背につける
冷たい……、けれどとても安心出来る背中
心臓が早鐘を打つ
この音がリシュフィーにまで聞こえてしまうのではないかと思うくらい大きく
この気持ちは何なのだろう?
ずっと一緒にいたい、離れたくないと思う気持ち
それでいてリシュフィーに触れたり、触れられたりすると、ドキドキして恥ずかしくなってしまう、この気持ちは……
空は青く青く、雲は所々にあるだけ
風は優しく私たちの頬を撫でていく
この気持ちを紛らわすため、ふと下を覗いてみると、空よりも深い蒼がどこまでも広がっていた―――
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