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遅かった
イヴはもう扉を開けてしまっていた
――禁忌の扉を
まさか……、まさかイヴにも見えるだなんて思わなかった
ましてや触れることが出来るだなんて……
俺ですら、見ることしか出来なかったのに
そして、だからこそ油断していた
そんなことは起こらないと確信してしまっていたから連れて来てしまった
実際にはどうなるかなんて分からなかったのに……!
せめて教えていれば良かった……
俺は“見る”ことしか出来なかったから、あの扉の向こうへは行けない
でもどんな所かは知っていた
どんな世界かは知らないが
魔力を扱う者なら誰でも知っている
そして、近づいてはならないということも
触れてはならないということも
捕われてはいけないということも
――その全てが魔力と共にあるものにとって禁忌だから
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