出会い

3/7
前へ
/15ページ
次へ
始業ベルが鳴り響いているのにも関わらず、それを気にも留めずにゆっくりと歩いている少年がいた   そして、猫の存在に気付くと真っ直ぐに猫へと向かってくる   「…お前、独りか?」   少年は猫に向かって小さくそう言うと、猫を腕に抱き抱える 猫は弱々しい目で少年を見るが、抵抗する雰囲気は全く無い   そして、少年は学校とは逆の方向に歩き出す 少年は相変わらず無表情のまま歩き続ける その内にコンビニが見えてきた   「ちょっと待ってな」   少年はそう言いながらコンビニの前で猫を腕から下ろした そして店内へと入って行く 猫はその場所でじっと少年をただ待っている   数分もしない内に少年は袋を持って戻ってきた そして、猫をもう一度腕に抱き抱える 猫は少年の腕の中で安心したように身体を預けている
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加