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ガチャッという音がして鍵の錠が外れ、少年は鍵をポケットに仕舞いながらドアを開ける
中に入ると、少年は猫を腕から降ろしてドアを閉めて鍵とチェーンを掛ける
「おいで」
少年は猫にそう言うと、靴を脱いで家の中へと入る
猫は少年の半歩後ろからついてくる
少年は廊下を抜けてリビングへと続く扉を開く
生活感が余り感じられない殺風景な部屋
少年はそんな状態を何も気にしてないかのように平然としている
少年はキッチンへと向かうと、小振りなサイズの器と小さめのプレート皿を食器棚から取り出す
そして器に水を容れ、それを持ってバルコニーへと移動する
猫は少年の後ろをついて歩く
少年はバルコニーへと出ると、持っていた器と皿を地面に置く
そして、何も乗っていないプレート皿の上にコンビニの袋から取り出したキャット・フードの缶詰を開けて容れる
「ほら、食べろ」
少年がそう言うと、猫はゆっくりとキャット・フードに口を付ける
少年は静かにバルコニーから見える風景を眺めている
空は澄み切っていて青い
一筋の飛行機雲がある以外は何も見当たらない
少年はジッと空を見続けている
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