闇へ

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      とりあえず立ってみた。 そういえば柑那が寝ていたのはソファーである。 しかし起きた時は床に寝ていた。 冷たくて固い床だ。 リビングはフローリングの上にマットが敷いてある。 …やはりここはリビングではない。 では一体私がいる場所はどこなのだろうか…? 暗闇で不安だが、一歩歩いてみた。 もう一歩…もう一歩… 少しずつ歩いてみた。 すると何かにぶつかった。 恐る恐る震える手で触れてみる。 …壁か? 平らだから壁だろう。 床を触った時と同じく、 冷たくて固い。 同じ素材なのだろうか。 そういえば今気付いた。 私は靴を履いていない。 靴下も履いていない。 寝ていたときは靴下をはいていたはず。 しかし着ていた制服はそのままだ。 暗くて見えないが、 毎日着ているセーラー服の感覚はしっかりと覚えている。 一体なんなんだ… 今置かれている状況 私には全く理解できない。 それ故に不安は募ってゆくばかりである。 何も音がしない中、 自分の心臓の音が体の中でこだまする。      
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