三章 隻眼の龍 心眼の長寿

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  ダンテ「……」 キスケ「…無傷のようですね」 ダンテ「草に水やっても、成長を早くさせるだけか…」 ゴロウ『どうすんだよ?潜り抜けるか?』 ダンテ「バカ野郎。こんな時季に服がズタボロになってみろ。セクシーな服になっちまうだろうが。そんなことにでもなってみやがれ、サクラとキスケがお嫁に行けんだろうが」 サクラ「はひっ!?」 キスケ「な…何を仰いますかっ!?」 ダンテ「はっはは。水がダメなら仕方ねえな…。少し退いてろ…」 ダンテが刀を抜く。 キスケ「主…?何を…?」 ダンテ「らあっ!」 神刀から斬撃が放たれる! 爆風と爆音が起こる! キスケ「ひいっ!」 ゴロウ「んにゃろう…。ダンテ…お前さんアイツらと同じように斬撃放てのかよ…」 ダンテ「取って置きは残しておくから取って置きなんだ。隠し技も隠しているから、隠し技なんだよ」 サクラ「でも…」 ゴロウ「ダンテの斬撃をもってしても、向こう側まで貫通しなかったか…」 ダンテ「ツルが太すぎる。メタボなオッサンのごとく」 ゴロウ「へ…?」 ダンテ「妄言だ。気にするな。さて、困ったもんだな」 キスケ「なら、拙者の火薬で…」 ダンテ「火が弱いな。もっと強い火を探さないとな…」 ゴロウ「強い火か…。そんなモノそう簡単には…」 ダンテ「確かに難しいな…。とりあえず、国境を歩くとするか。少しでも薄そうな壁を見つけたら、また斬撃をやるしかないな…」 ゴロウ「あんのか…?こんな要塞に弱い部分なんてよ」 ダンテ「何事もチャレンジあるのみだ。ともかく、歩く…」 サクラのお腹が鳴る。 サクラ「はうっ!」 ゴロウ「まったく、緊張感のない腹の虫…」 ゴロウのお腹が鳴る。 キスケ「ゴロウ殿も人のことを言えないでは…」 キスケのお腹が鳴る。 キスケ「はわっ!ちょっ…バカ!」 ダンテ「まあ、体は正直なのが一番だ。確かタカさんの団子があったはずだ。それを食べてからでも遅くないだろ」  
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