一章 合戦の地へ

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  ダンテ「一方的に母さんが悪いというのに、母さんが逆ギレしちまったらしいんだ」 ゴロウ「それでも女性ですかいそのお方は!?」 ダンテ「なんで母さんが『お江戸最強』じゃなくて『お江戸最強主婦』なのか知ってるか」 ゴロウ「ま…まさか…」 ダンテ「親父のほうがその時に勝っちまったらしいんだ」 ゴロウ(最強のミカさんを倒したヒスイパパもまた強いんだろうけど…その間に生まれたんだから、ダンテはそれ以上なのかも…) ダンテ「自分より、強い奴はいないって踏んでた母さんは自分より強い親父のことをみて一目惚れしちまったそうだ」 ゴロウ「お…恐ろしきかな…」 ダンテ「まったくだ。おかげであんな姉貴や兄貴が生まれちまったんだからな」 ゴロウ「……へ…?」 ダンテ「ん…?ああゴロウには言ってなかったな?俺は次男坊だ」 ゴロウ「…あ…姉貴に…兄貴…が居るんですかぃ…?」 ダンテ「一番上が姉貴でそのひとつ年下に兄貴、兄貴のよっつ下が俺なんだよ。俺が万屋をするかなり前にふたりは旅に出たよ」 ゴロウ「そしたら、姉貴さんは20で兄貴さんは19か」 ダンテ「そうなるな」 ゴロウ「なんでまた、ふたりは旅に?」 ダンテ「兄貴は親父の影響もあって、妖精や異国の技術が好きになっちまってな?いろんなことを研究するタメに、旅をしに行っちまったんだ」 ゴロウ「兄貴さんはどちらかというと親父さんに似たんだな…。姉貴さんは…?」 ダンテ「『一家の一番上を担うのだから、強くなって帰ってくる!』って言いやがってな?それっきりだ」 ゴロウ「まるっきり姉貴さんは母に似ちまったんだな…ははは…」 ダンテ「だが、やはり姉貴も兄貴もあのふたりの子だ。俺がかなう相手じゃねぇんだよ」 ゴロウ「まさに最強一家…」 ダンテ「イヤぁそれほどでもないや」 ゴロウ「別に誉めてるわけじゃねぇよ!」 ダンテ「親父に母さんに姉貴に兄貴に俺、そしてサクラの大家族なわけだ」 ゴロウ(サクラが唯一、まともな人間で良かった…。イヤ…そういう意味じゃ天然で抜けてるし…。何とも言えない…) サクラ「お兄ちゃぁん!ゴロウ!ご飯ですよお!」 ダンテ「飯にするか」 ゴロウ「あ…うん…」  
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