一章 合戦の地へ

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  ゴロウ「……」 ダンテ「これで分かったろ?例え試練を潜り抜けたとしても、本戦には『流派』からの刺客もまちまちに出てくるだろう」 サクラ「『流派』…?」 ダンテ「刀剣を扱う集団のことを総称してそう呼ぶんだ。剣を極めし者に受け継がれる剣技をそれぞれが持っている。神速を誇る『佐々木巌流』、力技を武器とする『小野一刀流』、世代により形を変える『柳生流』。裏でやってるからと言っても、ここまで名高い『流派』がでてくるんだ」 ゴロウ「死にに行くようなもんじゃねぇかよ…!?」 ダンテ「常に実力を人に見せ付けなければならないのが侍だ。それを忘れた時点でサムライはサムライを語れねぇんだよ」 ゴロウ「うっ…」 ダンテ「悪いな。今回ばかりはどうにも引くわけにはいかないんだ。他の流派はともかく『佐々木巌流』『小野一刀流』『柳生流』らと、旅路で出くわさない保証はない。名高い流派の刺客は護帝武隊の隊長格に匹敵するだろう。そんな輩から、護ってやれる自信はねぇんだ」 ゴロウ「…どうしても、行くんだな…?」 ダンテ「ああ。力を示さなきゃな。死ぬか分からない瀬戸際まで行くことになるだろうな」 ゴロウ「…死ぬなんて…言うなよ…。ここ数日で…お前の性格分かっちまったからよ…。止めても頑固だからさ…。意味ないって…よ…」 ダンテ「泣くなゴロウ。誰も帰らないなんて言ってねぇだろ?」 ゴロウ「でも…いくらなんでも危ねぇよ!?得体の知れない奴らがわんさか居やがるんだろ!?」 ダンテ「待ってろ…。死ぬって決まったわけじゃないんだからな…。家で待っててくれ」 ゴロウ「ダンテ…」 ダンテ「サクラも良いな?帰りが遅い場合はタカさんとこに…」 サクラ「……す…」 ダンテ「…?」 サクラ「イヤです」 ゴロウ「サク…ラ…?」 サクラ「イヤです。お兄ちゃんが何と言おうと、サクラはお兄ちゃんに付いて行かせていただきますから」  
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