一章 合戦の地へ

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  ゴロウ「なっ…!?サクラが反発した!?」 ダンテ「お前…何を…言ってる…?」 サクラ「何度でも、言わせてもらうのです!お兄ちゃんが行くと言うなら、サクラはお兄ちゃんに付いて行かせていただきますから!」 ゴロウ「うおっ…。あのサクラが…」 ダンテ「…何バカなことを言ってんだサクラ…?お前は…」 サクラ「サクラはお兄ちゃん…ダンテさんに拾われた身…。その命の恩人が死ぬというならば、共に死にましょうっ!」 ダンテ「…ダメだ!ダメに決まってるじゃないか!?大事な家族を危険なめに…」 サクラ「そしたらサクラも、一緒の気持ちですっ…!大事な…大事な家族を危険なめにさらさせるわけにはいきませんっ…!」 ダンテ「お前は…」 サクラ「この際、兄も妹も関係ないですっ…!」 ダンテ「サクラ…?」 サクラ「大事な…家族を…失うのが…イヤなんです…っ…。だから…だから…っ」 ダンテ「サクラ…お前…」 サクラ「サクラにとって…お兄ちゃんは…唯一の繋がりなのです…っ…。その繋がりは…今じゃサクラの宝物なのですっ…。その宝物を失いたくないんですっ…」 ゴロウ「サクラ…」 サクラ「だから…付いて…付いて…っ…行きますから…っ…。サクラを…ひとりにしないでください…。もお…ひとりは…」 ダンテ「……」 ダンテがそっとサクラに抱き付く。 ダンテ「ゴメン…。ゴメンなサクラ…。お前はひとりが怖かったんだよな…。そうとも知らず…酷いこと言っちまったな…」 サクラ「お兄…ちゃんっ…」 ダンテ「兄貴失格だなこりゃ」 サクラ「ううん…。そんなことはないのですよ…」 ダンテ「サクラ…ゴロウ」 サクラ「はい…」 ゴロウ「おうっ!」 ダンテ「付いて来てくれ…。俺の晴れ舞台を見にな!」 ゴロウ「ダンテの頼みとくりゃ、断れねえよ!」 サクラ「はい!」 ダンテ「ほら…もう泣くなよな?せっかく可愛い顔なんだからさ」 サクラ「う…嬉しいんですもおん…」 ゴロウ「ところで、合戦の地はどこだ?」 ダンテ「茨の国・常陸茨山」  
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