二章 大刀の虎 長刀の鷹

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  ゴロウ「ふぅ…。疲れたぜ…。やっと寝ころべるよ」 ダンテ「飛んでるだけのクセに何をぬかしてやがんだお前はよ」 ゴロウ「そりゃ、飛んでるけどもよ、妖精も疲れんだよ」 キスケ「妖精とは誠に不思議な生き物でありますな。一体どのように誕生したのか…」 ゴロウ「羽を引っ張るな!ちょっ!痛たたた!」 ダンテ「こら、流石にゴロウも厳しいものがあるだろ」 キスケ「ゴロウ殿は小さいのにどうして我らと同じ量の食事を消化できるのですか」 ゴロウ「大食いなんだよ!ほっとけ!」 ダンテ「ほら、荷物を部屋に……!?」 ダンテは寒気を感じとっさに振り向く! 男が座っていた。 身なりからかなり高い位の貴族のようにも見える。筋肉質ではなく、腕は細い。一見、女性のようにもみられる長い髪を高い位置でひとつ縛りにしている。 ダンテ(…コイツ…ただ者じゃない…!間違い無く…上位のサムライだ…!) その男は胡座をかいて座っている。左肩には有り得ないほど、長い刀が立て掛けてある。 男は静かにダンテを見つめている。 その目はまるで…獲物を狙う鷹の目のようである。 キスケ「主…」 ダンテ「気が付いたようだなキスケ…。悟られるな…。出来るだけ小声で話せ…」 キスケ「アヤツは…」 ダンテ「分からん…。だが強いのは確かだ…」 ???「そこの者、私の話をしてますな」 ダンテ「…!?」 ???「小声でお話をしているようですが、私には丸聞こえですよ。並の人間なら聞き取るのはまず無理でしょうがね」 ダンテ「…お前…何者だ…?」 ???「貴公もサムライなら、まず聞く前に名乗るものでしょう」 ダンテ「顔が笑ってるが物凄い殺気でてるぜ兄さん…。俺はダンテだ…」 ???「サムライならこの紋を見れば分かるでしょう…」 男が服の裏の刺繍の紋を見せる。 ダンテ「そっ…それは…!?」 ゴロウ「どうしたダンテ…?」 ダンテ「『佐々木巌流』の紋…!?お前…まさか…!?」 ???「お察しの通りですよダンテさん。一応、はじめまして…ですね。私、ササキ コジロウと申します」  
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