16071人が本棚に入れています
本棚に追加
ダンテ｢どっこらしょっ｣
サクラ｢静かな宿屋で良かったですね｣
キスケ｢そうでありますねサクラ殿。なかなか良いスタートを切れましたね主｣
ダンテ｢ん…？微妙だろ…。静かなとこを選んだつもりが、その逆手を取られたようなもんだからな…｣
キスケ｢コジロウ殿のことでありますな…？｣
ダンテ｢ああ…『佐々木巌流』ササキ コジロウ…。合戦の常連客様々の流派…。まさか…考えがバレていたとはな…｣
サクラ｢そんな凄い流派が…なんでこのような小さな地に居るのでしょう…｣
ダンテ｢たまたまか…はてまた企みか…どちらかだろう｣
キスケ｢後者なら…何が目的でありましょうか…？｣
ダンテ｢強い奴ほど案外、力を温存するタメに出来る限り戦いを避けるもんだ。その大戦にむけるタメにな。強い奴がいるって企んだろうな｣
サクラ｢それがたまたまお兄ちゃんだったと…｣
ダンテ｢そうなるな｣
キスケ｢なら尚更ゴロウを渡すのは危険ですよ…！｣
サクラ｢そうですよ。ゴロウを盾に決闘を申し込まれたら…｣
ダンテ｢イヤ、コジロウもそんなバカじゃないだろ。アイツは戦いをしに此処に来たんじゃないはずだ｣
キスケ｢なら…何故…？｣
ダンテ｢強者を見定めに来た｣
サクラ｢強者を…？｣
ダンテ｢ただ、適当に赴いただけでなく、アイツ自身も本当に戦いの意志はなかった。戦いを避けるために来た強者を見定めるタメに赴いた。俺はそう思う｣
キスケ｢納得いきませぬ…。そうだとしてもゴロウを差し出すのはムチャクチャです…｣
ダンテ｢見定めに来たんだ。なら、こっちも見定めさせてもらうまでだ｣
サクラ｢な…なるほど…｣
ダンテ｢向こうが見てるなら、こっちもやり返すってわけだ｣
キスケ｢それでしたら尚更拙者が…｣
ダンテ｢忍者ってばれたからな。一番怪しまれるのはキスケだ｣
キスケ｢うっ…。そう言われれば確かに…｣
ダンテ｢純粋な目で見定めるのにはゴロウがどうしても必要不可欠だったんだよ。それに俺は初対面ながらにしてコジロウにビクついた。こうでもしねぇ限り、合戦じゃ勝てないよ｣
最初のコメントを投稿しよう！