二章 大刀の虎 長刀の鷹

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  客8「佐々木家が何用でこのような地に…?」 コジロウ「言っているでしょう?貴公のような下種には時間さえ惜しいと」 客8「なっ…なめるな!」 客8が手裏剣を投げる! コジロウ「弱い下種のすることですねぇ」 コジロウは難なく長刀で振り払う! 客8「後ろががら空きだ!」 ゴロウ『いつの間にアイツの後ろにまわりやがった!?』 ダンテ「忍者の十八番だよ。紛らわしのために手裏剣を投げたんだよ。刀を自分以外の者に背けさせるためにな」 サクラ「危ないっ」 ダンテ「イヤ…」 コジロウ「弱者が…うるさい真似をなさるからです」 コジロウが振り向かずに客8を突き刺す! 客8「かはっ…!バカな…まだ5歩の距離があるのだぞ…?何故…こちらが刺される…!?」 コジロウ「長刀ー備前。あまりの長さ故にまたの名を『物干し竿』とも言われています。たった5歩ほどの距離でかわせると思ったのが運の尽きでしたね」 客8「無念…」 コジロウが刀を客8から抜き取りゆっくりと振り上げる。 コジロウ「さようなら…」 刀が交じり合う音が響き渡る!! コジロウ「む…?なんのマネですかなダンテ君」 ゴロウ『お前っ!何してやがんだよ!?』  ダンテ「刀を引けコジロウ。いかなる理由でも、人を殺めてはいけねぇんだよ」 コジロウ「ほう…。賞金稼ぎのような安い刀で私に立ち向かいますか…?」 ダンテ「刀をバカにしちゃいけねぇよ。サムライとして刀は誇りなんだぞ!?」 コジロウ「とりあえず、この者たちを生かしておく理由がありませんよ?貴公らを襲った一味なのですから」 ダンテ「なら、俺の顔に免じて許してやってはくれねぇかな」 コジロウ「殺されかけたのにですかな?」 ゴロウ(不味い!ダンテのほうの刀が砕ける!) ダンテ「頼む。せめて、俺らの前では人を殺めないでくれや」 コジロウ「……」 コジロウが刀を引く。 パキンっとダンテの刀が砕け散る。 ゴロウ(あ…危なかった…) コジロウ「変わっていますねダンテ君という人間は」 ダンテ「そりゃどうも」 コジロウ「刀は引きましょう。ここで四億と戦って傷にでもなったら元も子もないですからね」 ダンテ「聞いていやがったか」 コジロウ「えぇ…」  
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