二章 大刀の虎 長刀の鷹

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  ダンテ「とりあえず、刀を渡してくれ。重かったろ?」 キスケ「いいぇ…。主のためならば」 ダンテ「汗かいてるクセに。見栄を張らなくて良いよ」 キスケ「うっ…」 ゴロウ「でも、ダンテの刀ってかなり重いんだよな?神刀と黒刀」 ダンテ「まあな。ただでさえ黒刀は鎖で縛っているから…」 空気が震えだす。 ダンテ「…!?キスケエっ!風呂敷から黒刀を取れ!」 キスケ「へ…?」 黒刀の鎖と鎖の隙間から黒い影の手が無数に飛び出す! キスケ「キャっ!」 ダンテが風呂敷とキスケを無理やり取り除く! キスケ「あっ…主…!?」 影の手がダンテを襲う! ダンテ「ぐっ…!」 ゴロウ「ダンテ…!?」 サクラ「お兄ちゃんっ!?」 ダンテ「近…寄る…な…!コイ…ツに…飲み込まれる…!」 影がダンテの腕に絡まる! ダンテ「ぐっああっ!」 影がダンテの体内に侵入し出す! ゴロウ「おえっ…」 サクラ「ひいっ!」 ダンテの腕から血が滴りだす! 黒い手が更にダンテを蝕む! ダンテ「大人しくしねぇかバカ野郎がっ!?てめぇの主の元に戻ったんだから文句はねぇだろうがっ!?少しは主人の言うこと聞きやがれっ!!」 ダンテが叫ぶと同時に黒い手の動きが止まる! ゴロウ「影が…止まった?」 黒刀の影はゆっくりと隙間へと戻る。 ダンテ「ふぅ…」 キスケ「主…」 ダンテ「大丈夫だったかキスケ?いきなり突き飛ばして悪かったな…」 ゴロウ「今のは…一体…?」 ダンテ「主以外の人間の手に渡ったから、黒刀が怒っただけだ」 サクラ「怒っただけって…」 ダンテ「気にするな…」 ダンテは手際良く刀を腰に差す。  
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