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背後から現われたのは赤い衣を纏い、肩にハンマーを担いだ幼い少女だった
「ヴィータか、スマン助かった」
「気にするな、で?アイツ何もんだ?」
「わからん、何か事情があるようだが……」
そうか、と頷いてヴィータはシンジに向き直る
「おい、お前!!事情があるなら説明しろ!ちゃんとした理由なら管理局は聞く用意がある」
シンジは真直ぐなヴィータの目を見て微笑む
「……君は若いね……だから真直ぐで故に闇を知らない」
そういうと笑みをまた隠し
「悪いけど理由は話せない、話したとしても君たちは信じないだろうから」
「何⁉信じる信じないなんて言って見なきゃわかんねぇだろ」
「世界の再生………」
「えっ?」
「はっ?」
シンジが諦めたように呟いた、しかし、シグナムとヴィータにははっきりと聞こえた
「…世界の……再生だと?」
「そう、僕は滅んでしまった僕の世界を再生する、そのためにS2機関……レリックが必要だと言ったら君たちは信じられる?」
そう言ったシンジにヴィータ達は何も言えなくなる
「そりゃ信じろっていうのは無理やなぁ」
「そんなの無理に決まってますよね、ハヤテちゃん」
そう言って局から姿を表したのははやてであった、その肩には人形サイズのリーンフォースⅡもいる
「はやて……それにリーンも」
少し驚いた顔のヴィータに少し笑顔をむけはやてはシンジに向き直る
「君の言うところのS2機関……レリックは扱い方によっては世界を滅ぼすかもしれへんのや、そんなモンを一個人に渡せるはずないやろ?」
「ですよね、元からそんな簡単に手に入るとは思ってません……」
シンジはあっけらかんとして答える
「やったら投降したらどうや?言っとくけどうちらは強いでぇ」
はやても砕けた言い方でシンジに投降を迫る、しかしシンジは首を横に振る
「確かにあなた方はかなりの力を持っているようだ、ここは引いておくことにしますよ」
そう言っていつのまにか手に持っていたロンギヌスを地面に突き立てる、するとシンジを中心に地面に黒い空間が生じ、シンジはその中に潜っていく
「ただS2機関は絶対に返してもらいます」
その言葉を残してシンジは消えた
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