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「……どんな能力なんですか?僕のほとんどの魔力を注ぎ込んで放った魔法をどうやって消し去ったんですか?」
白蘭が冷静さを取り戻すかのように深呼吸すると、レインは顔を白蘭に向けた。
「知ってるか?どんな魔法にも、その魔法を司る脳みたいな部分があるんだ。俺は核って呼んでるけどな」
魔力を失い敗北が決定的になった白蘭だが、まだ戦意を残した目でレインを見つめていた。
「核……ですか」
「そうだ。俺の瞳に移植したモンスターの能力は、核を瞬時に見分ける洞察力」
「つまり、発見した核を破壊すればどんな魔法も破壊できるということですか?」
白蘭が顎に手を当てて自分の分析を話すと、レインは軽くうなずいた。
「ああ。だけどそれじゃなくても、その魔法に使われた量と同じ量の魔力を消費すれば見るだけで核を破壊することもできるんだけどな」
レインが目を強くつむり再びまぶたをあけると、そこにはいつもの黒い瞳があった。
「その代わり、発動するには魔力がかなり必要なんだけどな」
レインが苦笑いすると、白蘭は素直にニコリと笑って見せた。
「完敗です。それにあなたの異名に紅の言葉がある理由もわかりましたよ」
白蘭は微笑すると、剣を地面に突き刺して目を閉じた。
「あなた達に負けたなら、納得できます」
するとレインは顔を上げて遠くを見据えた。
「ガルの戦いも終わったみたいだな」
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