嵐の入学式

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日本のどこかの県、天下市(あましたし)。  ここには五つの高校が、ある。まず、天下中央高校、東の戦国高校、北の旺集高校、西の志國山院工業、南に、九頭商業…………… これらの高校は、血で血を洗う抗争を繰り返していた。時に、校内の勢力争い、時に校外と、天下市の高校の覇権を掛けて。 本編の主人公、木山雄一郎は、普通の年相応の少年だった。身長も体格も頭の良さも、然し、運命のイタズラか神の思し召しか、ひょんなことで天下の悪高、戦国高校に入学することになってしまったのだった。 県下の公立高校の入試の日に発熱、二次募集で、戦国高校に迷い込んできたのだ。 それらのくだりは、おいといて我々の少年のそれからの話に移る。 入学式の日、雄一郎は本当にとんでもない所に来たと頭を抱えていた。 というのも、クラスメイト七割は、短ラン、長ラン、中ランといった種類の刺繍入りの学生服に頭髪は、リーゼントにオールバックだったり、金髪、赤髪、青髪だのそういう手合いが、猿山のボス争いのように互いに、威嚇しあい牽制しあいしている。 そのほか、3割が、いかにオタクの生徒達。 いつか、そう近いうちに、県内・外から、集結した手のつけようのないワル共に狩られるために来てるようなものだった。
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