~大樹の後悔~

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  その日はただただ手を繋いで夜空を眺めていた。   たまに見つめ合いキスをして。   言葉を交わさなくても心が通じていた。   幸せを実感していた。     『また,おかんから電話かかってきちゃぅな!!……帰ろっか。』   『…ぅん。』   寂しかったが,大樹も同じ気持ちでいるのが伝わってきたから頷いた。   春雪が降る道をゆっくり歩きだす。   『なぁ,琉華!!』   『んっ?』   『なんかさッ…お揃いのもの欲しいね!』   ―――!!   まさか大樹からそんな言葉がでるとは思ってなかった… そうゆぅの苦手そぅだったし… 願ってもない言葉だった   『欲しい欲しい♪』   『じゃぁ,今度の休みにでも見に行くか!!』   『うんっ!楽しみだなぁ♪』   『何がいいかな?』   『…指輪…指輪がいぃな…』   『じゃ,指輪見に行こ!!』   そんな約束を交わしながら帰宅した。 大樹は私が家に入るまで笑顔で手を振ってくれていた。   何気ない幸せがずっと続けば…と願っていた。  
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