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俺は重い足取りで階段を登る
カタン カタン カタン
今日はやけに階段の音がもの悲しげに聞こえてくる。
あれ?
部屋の屋灯りがついてるぞ。
携帯も忘れ、電気も消し忘れ、最悪だなぁ。
ガチャガチャ。
あれ。カギもかけ忘れてたようだ。本当に最悪の1日じゃねぇか。
何が運勢よしだよ。
「おかえりー。」
「ただいま~。」
「!!?」
「遅いし携帯繋がらないから、こっちに来ちゃた。」
あれ、ラブホに行ったんじゃないのか?
「車は?」
「弟が車を借りたいって言うから此処まで送ってもらったのよ。」
はぁ、弟さんだったのか。
ははは、なんだ。そうか、やっぱりそんな事有るわけないよな。(笑)
なんか、安心したら腹へったな。
お~! なんかいい匂い。
「ねぇ玄関に突っ立ってないで、上がりなさいよ。」
俺は部屋の中へと入った。
「うぁ~!」
テーブルの上には鍋がグツグツと美味そうな湯気を上げながら俺を出迎えてくれた。
「驚いた?時間が無かったから鍋にしたのよ。」
「美味そうだ♪早く食べよう。その前に誕生日プレゼントが…」
あれ?
あれあれ、まさか、無くした!
待てよー、確かに事故った後も持ってたよな
それから、前の彼女の家で…
あ!
彼女の家に忘れてきたかも。
どうしょう。とにかく彼女にメールして持って来て貰うしかないか。
「ちょっとトイレ行ってくるよ」
俺はトイレに籠もって前の彼女にメールをする。
『今日はありがとう
ところで部屋に紙袋忘れて来なかったかなぁ。
もしあったら俺のアパートの近くまで持って来てくれないか。後でお礼するからさあ』
お、彼女からメールが来たぞ、相変わらず早いなぁ。
『有るわよ。部屋じゃなくてアパートと近くでいいの?』
そりやぁ、部屋じゃまずいだろ。
『悪いな。アパートそばのタバコの自販機まで持って来てくれ』
再び返事
『了解。15分くらいで着くと思う(・ω・)/』
良かった。これでなんとかなる。
「ごめん。待たせちゃったね。さあ食べよう!」
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