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身長の低い彼女は沢山の人の中に埋もれて居て、電車に乗るのも苦労しているようだった。
いろんな人にぶつかりながらも、一人一人に謝る彼女を見て俺は不意に笑いを誘われた。
「大丈夫ですか?」
俺は慎重に、且つ真剣に声をかけたんだけど、後々彼女に聞いたら、「ナンパ男かと思った」らしい。
彼女は申し訳なさそうに俺に謝り、去って行ってしまった。
「ありがとうごさいます」
俺の耳には彼女の言葉が残った。
俺は彼女に笑顔が絶えない人になって貰いたくて、毎日話しかけた。
「おはよう」「毎日暑いね」「今日は寒いね」
何度話しかけただろう…。
次第に彼女に恐怖心が無くなり、自然に話しかけてくれるようになったんだ。
俺はその事実がとても嬉しかったんだけど…彼女はそんな事知りもしないだろうな。
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