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こうしていると彼女と喧嘩した日の事を思い出す。 「あの日も雪が降ってたな」 「なんで言わなかったんだよ!」 「だって別に疚しい事してたんじゃないんだもん!」 喧嘩は簡単な理由からだったけれど、元の仲に戻るのは本当に難しい事だった。 そんな俺達はついに口に出してはいけない事を言ってしまった。 「どうせ俺の事なんて好きじゃないんだろ!?」 「どうせ私の事なんて好きじゃないんでしょ!?」 言った後の後悔と不安は計りしれないものだった。 「好きだよ!」 「!!」 彼女の強気な言葉に俺は驚いた。 「俺も好きだよ!!」 全く同じ事を言っているせいか、彼女は笑ってしまった。 その笑顔につられて俺も笑ってしまった。 ふっと空に目をやると、雪が。 「ごめんな この雪みたいに俺の掌から消えて無くなっちまいそうで、不安だったんだ」 「消えたりしないよ」
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