懐かしい港町

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しばらくの間、俺とハルノは他愛のない話をしていた まるで十年来の親友の様に俺とハルノはたった数分で意気投合していた 「そういえばよハルノ …お前、なんでこんな人の気が無い所に店構えてんだ? つーか…流行ってんのか?」 「余計なお世話だよ… まあ、『流行ってんのか?』って言われれば…流行ってないな まっ、趣味半分でやってる店だし、別に気にしてねぇけど… ちなみにお前が最初に見たガキ…アレ、バイト君 店に客来たら俺に知らせる代わりに客来ない間は酒飲み放題 ま、そうそう客は来ないけどな(笑) そうだな…店開いた理由は…忘れた♪」 と笑いながら酒を注ぐハルノ コイツと話していると時間が経つのも忘れちま…忘れる? …一瞬にして酔いが冷めた 「…なぁ、ハルノ 今、何時だ?」 ハルノは古びた柱時計を見詰めながら… 「もう昼過ぎだな… あと少しで3時だ」 と呟いた ガタッ!! 「悪い!!人を待たせてたの忘れてたぜ!! コレ、酒の代金!!じゃ、アバヨ」 「ちょっと待ちやがれ!! お前、人を待たしてんのか? なら、手ぶらはマズイだろ… しかも、その慌てっぷりは見たとこ女か? ちょっと待ってな…」 すると、ハルノはガサゴソとカウンター辺りで何かを探し始めた 俺は急いでジュンとの約束の場所に行かなきゃなんねぇのに何してんだよ!! 「えっと~…あったあった ホレ、持って行きな」 渡されたのは一冊の本…しかも、古びた感じの 「本当はアイツの妹にやる筈だったんだが… まあ、今更渡されても二人とも忘れてんだろうし…いつまでも置きっ放しにすんのも嫌だからよ お前にやるぜ 何、気にすんな…また、探せば良い話だろうが ほら、さっさと行きな 女の子はルーズな野郎は嫌いだぜ?」 そういうハルノに対し、俺は急いでジュンとの待ち合わせ場所に向かった… 立ち去り際、「ありがとよ」とハルノに言った
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