懐かしい港町

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それと同時に周りの連中の内、数人がバタバタ倒れ込んだ 「なっ何だ!! 何が起こってる!!」 ボスがキョロキョロ辺りを見渡していると ふと、ある一点で止まる 「なっ…お前は」 俺もその一点に目を向けると…体から刃物を生やしたハルノがポーズをキメていた。 「俺、参上~♪ 久しぶりだね~♪大将、元気にしてた?」 「はっハルノ!! 貴様、どういうつもりだ!! 貴様…恩を仇で返す気か!!散々、世話してやったってのに」 「確かに…アンタには色々と世話になった その恩義は一生忘れねぇよ だが、なんか気に喰わないんだよな…アンタ等のやり方」 「何?」 「贔屓にしてもらったのは嬉しいんだがよ…アンタ等、俺を利用して武器の横流しやら、違法ドラッグの運び屋なんかにしてたのが気に喰わないんだよ」 一瞬、ボスの表情が凍り付いた 「貴様…いつから気付いていた」 「ずっと前…確か、一,二ヶ月くらい…駄目だな、全然思い出せねぇな やっぱり、アイツ居なきゃ駄目だな まあ、とにもかくにも…前々から知ってたって事だよ」 ヨッという風にハルノは二階の格子からジャンプして降りて来た。 「ついでに…遅くなっちまったなシュラヴァリエル さぁて、盛大に派手に暴れるとするか!!」 と、張り切るハルノに対して俺は… 「なぁ、ハルノ。 今更なんだが…お前、何者だ?」 「戦刀鬼だよ…まぁ、俗に言う『異端』だな 詳しい事は覚えてないが…どうやら俺は感情が高ぶる度に体中から刃物を生やせるらしいんだわ ちなみにコレ知ってんのは町医者のジジイ位かな"死神さん"よ ああ、気にすんな…誰にも言わねぇよ」 「…いつから気付いていたんだ?」 「う~ん…最初会った時から『なぁ~んか違うなぁ~』って思ってよ 手配書も出回ってたが…イマイチな だが、確信したのはお前が通って来た道を辿って来た際にあった屍の殺され方見た時だよ ありゃ、人間が殺せる技量を越えてたしな なんつーの?芸術的殺戮って奴か? まっ、そんな感じかね」 不思議な奴だな…お前
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