奇妙な出会い

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「う~ん…難しいなぁ。やっぱり無理なのかなぁ?」 「オイオイ…もうギプアップする気か?」 と、問掛けようとした瞬間 「解った!!貴方の名前は…シュラバリエル・オーテライト・ウグラテウスね!! シュラバリエルの意味は"守護者"… オーテライトは辺りを明るく照らすって意味で"太陽"… ウグラテウスは古代の黒神話に記された破壊を司る神"ウグラティウス"からきてるのね」 「ほぉ~…よくもまぁ、アレだけのヒントで解ったな…まあ一応、正解だな。」 感心してると彼女は自慢気に 「私、昔からこういうの得意なんだ。」 と、彼女が笑ってると いきなり咳き込み出したかと思えば口から大量の血を吐き出し始めた。 「おっおい!!どうした!!口から血なんか出して!!」 すると、彼女は苦しそうに答えた。 「ハハッ私…昔から心臓が悪くてね…いつ病状が悪化するか解らない状態なんだ…」 彼女のいきなりの発言に彼は驚きを隠せないでいたが 「でもよ、治るんだろ?その病気?」 と、問掛けるが彼女は首を横に振った。 「解らないの…今の医学でも治るかどうかが難しい病気だから…」 彼女は、いつ自分が死ぬ恐怖にいつも怯えていた。 彼は彼女のそんな姿を黙って見つめているとふと、彼は呟いた。 「看とってやろうか?お前の最後…」 「えっ…」 突然の問掛けに彼女が驚きを隠せないでいると 「一人で逝くのは寂しいんだろ? 此処で出会えたのも何かの縁かもしれねぇし… 俺がお前が死ぬまで一緒に居てやるよ。」 と、彼が呟いた。 「いきなり何を言い出したかと思えば…何それ」 と、彼女が吐き捨てると彼は 「嫌なのか?」と、問い返した。 すると、彼女は 「誰も嫌って言ってないでしょ!!」と反論する。 「なら、良いんだな…」 と、彼が呟くと彼女は、言った。 「その代わり条件があるわ。」 「"条件"って何だ?」 彼女は不適な笑みを浮かべたかと思うとこんな提案をした。 「私が死んだら貴方に私の魂を差し上げるわ。 その代わり…死ぬまで私を退屈にしないでね。」 それが彼女の出した提案だ。 「"お前を死ぬまで退屈にさせない"、か… お安い御用だ… なんなら俺が辿ってきた道のりを語ってやろうか?そんな古ぼけた本よりかは、幾分かはマシかもしれねぇしな…」 一応、彼は仮面を着けていたのが… 何故かこの時笑って見えたという。
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