懐かしい港町

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[~回想~] 『畜生…俺、こんな所で野垂れ死ぬのかよ…ざまぁねな』 と、ハルノは薄れゆく意識の中…皮肉を考えていると 「アンタ…大丈夫、じゃないわね…見たところ」 目の前に自分と同い年位の女の子がこっちを見ていた 「うわっ、凄い怪我… 待ってて!!すぐに医者呼んで来るから」 と、女の子がその場を立ち去ろうとした時、ハルノは言った 「余計な…こと、すんな…俺のことなんざ…放っといてくれ どうせ…俺なんざ…生きてる価値なんて」 ない…と、言いかけた瞬間、女の子に怒られた 「馬鹿!!生きてる価値なんて誰が決めるのよ!! アンタの生きる価値ってそこら辺に落ちてるゴミくずレベルなの!?違うでしょ?? それに…アンタの目『まだ死にたくない』って目をしてるわ」 彼は驚きを隠せないでいた…自分自身、心のどこか片隅に『まだ死にたくない』と望んでいた事が… 「イイ?絶対にそこから動かないでよね!!分かった!!」 そう言うと女の子は、その場から離れていってしまう。 その後ろ姿を見ながら彼は心の中で呟いた 『…変わった女だな まさか、この俺に説教たれるとはな… しかし、悪くない感情だ』 直後、激痛の為彼の意識は途切れた
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