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初夏の道のり。。
空良の剣幕の理由すら分からなかった。
そばにいるだけじゃ。。
だめなのかな。
「はぁ・・・。」
カナミから溜め息がもれる。
じわじわと蒸し暑さを増していく風。
照り付ける太陽。
暑さに弱いカナミには、不快極まりない。。
振り返った空良の部屋は何もかわらない。
自分の存在の小ささが、胸に刺さる。
何もできなかった、自分。いつも、いつも。
空良のそばにいたかった。
それが叶ったのに。
「私はズルイの・・・。」
空の青さに告白した言葉。
傷ついた空良の隙間に滑りこんだ。
傷つくのを待っていたの。
それを癒してあげる。
だから。
そばにいてほしかった。
家に帰りつく頃には、すっかり熱り。
倒れこんでしまった。
遠くで母親の声がする。
又・・・迷惑かけちゃう。
カナミの意識はそこまでだった。
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