優人 17歳 夏

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後で分かった事だが、俺の両親は離婚して、親父は愛人と一緒になり、お袋は生活するのに大変とかで俺とは暮らせないから養護施設『しあわせの園』に預けに来たのだ。             いずれ、迎えに来ると園長夫妻に話しをつけて、俺が外で遊んでいる間に逃げる様に帰っていったのだ。             結局、施設に預けられあの時言ったオバサン【後に知ったのだか園長の奥さんだ】の“良い子にしてたら迎えに来る”は結局実現しないまま今に至る。             実際、二人とも一度も面会に現れなかった事を考えると二人とも俺が邪魔な存在だったのだ。             俺がこの話しを聞いたのは、高校に入学する時や。一人前の男として自分を見つめろって事なんかなぁ…                                              「ちくしょ~!何で今日はこんな、しょうもない事思い出したんかなぁ。」             独り言の様に呟いてたら後ろから声をかけられた。             「おぃ!ゆ・う・と!何一人でブツブツ言うてるねん。暑さでボケたんちゃうか?」
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