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「・・・ろ、起きろー」 ふと、気が付くと彼がいた。 「・・・ふぁぁぁ・・・お帰り。・・・今、何時?」 「6時半だ」 私は彼の答えを聞きながら上半身を起こした。 「思った以上に早かったわね」 「早く帰りたかったからとっとと片付けたんだ」 「ふーん・・・お疲れさま」 彼はずっと笑顔。 多分、今の私も笑顔。意識せずにこの表情が出るのは嬉しい。 ・・・それに、仕事終わりの彼に“お疲れ”が言えるのも嬉しい。今までの仕事では“お疲れ”って言える様な事はしてなかったし。 「ねぇ、きゅうり買ってきたよ。食べる?」 「久しぶりだなぁ・・・。よし、貰う。あと塩だな」 「はいはい・・・」 この世に正義はない。 私の今までの人生での大事な教訓 しかも、身を持って知ったのだ。正義を語る奴ほど、その醜い両手は紅い鮮血に染まっている。 某国の国家元首が良い例だ。 そんなものをじかに見られる世界で生きてきた私。 上手く立ち回れば、それこそ数万単位の米ドルやら闇の組織やらが手に入る。 でも、私はそんな世界を捨てた。結局私の身の丈に合わなかった訳 まぁ、大切な人と信頼できる友人ささやかな財産があれば生きれる 神は天にいまじ、世は事もなし
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