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「・・・おい、大丈夫か?」 気が付くと、私はある草原に寝そべっていた。 「・・・大丈夫・・・」 ははっ・・・声、震えてる・・・ 「うなされてたぞ?」 「・・・嫌な記憶が出てきたの」私は傍らに座っている彼に言った「・・・こんな所来たからか?」彼は私を気遣うように言った。 そう、私達はある草原に冬の星座を見にきていたんだ。 「・・・ひょっとしたらそうかもしれない・・・」 私は左隣の彼の方を見るために、首を動かした。 「ごめんな」 彼が私を抱き締めてくれる。 「いいよ、あなたのせいじゃないんだから」 私は彼に笑顔を浮かべて答えた。 あの事件・・・私の家族が死んだのは殺人だったらしい。 そして私は茫然自失になってた内に家に仕掛けられていた爆弾で、吹き飛ばされた。 そして、左足と右腕、そして左目がぐちゃぐちゃになった。 幸い、医者が良かったお陰で足と腕は人並みに動かせるけど。 「なぁ、エミ」 「なあに?」 「今は夜って好きか?」 彼の質問に、私は少々困った。 「・・・好きじゃない、かな」 「じゃあ、何でここに来たんだ」「・・・“星”は好きなの」 「なるほど」 「夜の闇は嫌い、苦手。でも闇の中の瞬く光、プラネタリウムなら好きよ」 だから、私は夜が嫌いだ。 そして夜が好きだ。
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