ある夏の1日

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                                                            ・・・アブラゼミが鳴いている。「ふぁぁ・・・暇ねぇ・・・」 私は空が見えるリビングの窓際で寝転んでいた。        「・・・雲が流れてる・・・」 綺麗な青空に白い綿みたいな雲の取り合わせって、なんでこんなに夏って感じがするのかなぁ・・・電話の呼び出し音が聞こえてくる「はい、里崎です・・・」   『唯、俺だ』         電話の相手は私の最高の相棒で、最愛の人だった。       「何?久しぶりに厄介ごと?」 『あったとしてもお断わりだ』 「じゃあ何なのよ」      『いや、帰るのが遅くなる』  「ええっ!?」        『んじゃあ、な』       「あっ、ちょっ」       あいつは言うだけ言って切った。後で折檻しよう。                                                                   取り敢えず買い物に行こうと決め玄関のドアを開ける。     「あっつ~」         部屋の中から見てればとても綺麗な空も、一歩外に出てしまえば、とてつもなく狂暴なものだ。  そして、置いてある自転車の鍵を開けた。           「今夜は何にしようかなぁ」  私は自転車をこぎながら考える。・・・こういう日は冷麦かな。 麦茶残ってたかしら・・・                                                               私がこんなに所帯じみた悩み事が出来るようになったのはつい最近・・・自分自身、正直驚いている
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