あたし

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結婚式が始まった。 会場の扉の前に立つあたし。 バージンロード…歩く事が夢だった。 だけど父のいないあたしは歩く事を諦めてた。 でも……今,あたしの隣には龍輝のお父さんが立っていた。 「これからは本当の玲奈ちゃんのお父さんだから…バージンロード,一緒に歩いていいかな?」 そう龍輝のお父さんはあたしに笑って言ってくれたんだ。 ブライダルスタッフの人が扉を開けた。 「幸せになるんだよ」 そう龍輝の……いや,あたしたちのお父さんがそう言ってくれた。 あたしは泣きそうになった。 「はいっ!」 そう笑顔で答えてバージンロードをゆっくり歩く。 あたしの行く先には龍輝が立っていた。 柄にもなくカチカチ。笑 龍輝とお父さんが交代し,龍輝の横に立つあたし。 「龍輝…鼻毛出てるよ」 こっそりあたしは言った。 「マジで?!」 小声でビックリして鼻を擦る龍輝。 「うそ。笑 緊張しずに笑って?」 あたしはニコニコしながら言うと,龍輝は緊張の糸が解れたかのように自然な笑みをあたしに向けた。
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