1667人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
朝、俺はいつも通り優璃を叩き起こすために、優璃の家の前に向かった。
いつも寝坊してる優璃を起こそうと思ったのに、優璃は家の前で立っていた。
寝癖をつけながら。
「おはよ。今日は早いな。」
「えっへへー。早起き頑張ったんだー!まあ、起こしてくれたのはお母さんなんだけどね。」
寝癖だらけの頭をボリボリと掻きながら、優璃はいつものように笑った。
「頑張ったのオバサンじゃん。」
寝起きが悪い優璃を起こすのは、どれだけ大変だろうか。普通の人には分かるまい。
オバサン、お疲れ。
「なにさー!私だって、頑張ったよ!寝癖頑張って直したんだよ!」
優璃が威張りながら言うものだから、突っ込んでやりたかったが面倒くさいからヤメた。
それより、いつも通りの毎日をまた送れるから、優璃にこの気持ちを伝えよう。
「優璃。」
「ん?なに?」
「好きだよ。」
優璃は一瞬目を大きく見開いて固まったけど、次の瞬間思いっきり花が咲いたような笑顔になった。
「私も!
彼方大好き!!」
キミの笑顔を見て、俺も笑った。
キミに伝わってんのか分かんねーけど…伝わるまで、何度でも言ってやる。
今は…
キミの『好き』と俺の『好き』は、今は違うけど、きっといつかこの想いがキミに伝わるように。
END
最初のコメントを投稿しよう!