時雨

3/6
前へ
/43ページ
次へ
「雨はな……ときに大いに感謝されたり、愛でられたり…かと思うと酷く疎ましがられるだろう?」 「…まぁ、そうだな」 晴明は柱にもたれかかり、博雅の話を聞いていた 「なんと言うか…酷く哀れではないか…。都合の良いときは愛でられ、でもまた疎ましがられる。考えてみたらそれはまるで……」 そこまで言って、博雅は口を噤んだ 言い出そうか迷っているようである 「まるで……何だ?」 晴明が促すと、博雅は悲しげな調子で言った .
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加