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「それは違う……」 晴明は珍しく反論してきた博雅を少し驚いて黙って見つめた 「う…上手く言えぬが…俺が晴明を想うのと、晴明が俺を想うのとは…同じ気持ちだと思うぞ。晴明が自分勝手なら、俺とて勝手だ。だから…」 それ以上何と言って良いか分からなくなり、博雅は黙ってしまった 晴明はあらためてゆっくりと博雅の言葉を反芻し、フフ、と笑った 「…やはり良い漢だな、博雅」 「…またそれか」 やはり気取った事を言っても駄目だと思った博雅は、自分の気持ちを素直に話そうと思った 「それにな…俺は晴明を鬼になどさせぬ!ずっと晴明が好きだ…心変わりなどしない」 素直すぎる博雅の言葉に、晴明は珍しくほんのりと頬を赤く染めた 「……もしも、の話をしていたのだ。そんなにはっきり言う男は嫌われるぞ」 嬉しさを全面に出すのが恥ずかしいのか、ふい、と外方を向いた 「お…俺はただ自分の思った事を…」 嫌われる、と聞いて少し慌てたような博雅の様子を横目で見やり、晴明はまたサッと視線を逸した 「……博雅は良い漢すぎて困る」 ポツリと呟いた晴明の顔が嬉しさと気恥ずかしさで赤くなっていたの知らない博雅は、暫く本当に嫌われたと思って悩み続けるのであった ◆終◆
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