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「あ……」
博雅が情けない声を出したのと、部屋の灯が消えたのはほぼ同時だった
この日も晴明の屋敷に来て酒でも飲もうと思っていたところで、運悪く油が切れてしまったらしい
生憎今宵は月も隠れており、部屋はまさしく暗闇になってしまった
「晴明…灯が……」
普段なら晴明の式がすぐに明かりを灯すのだが、晴明は返事をせず、明かりが付く気配もない
「晴明……?何故明かりを……っ…」
暗闇で見えない中、晴明がいきなり自分にくっついてきたものだから、博雅は驚いて固まってしまった
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